【教職員インタビューVol.4】TSMでしか学べない!音楽・ダンスに加えて“ビジネスマインド”を育てる授業とは【関口陽介先生】
東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校 講師 関口 陽介先生
東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校(TSM)では、音楽やダンスだけでなく「ビジネス」を学べる授業があることをご存知ですか?
今回は「実践ビジネス基礎」を担当する関口陽介先生に、授業の魅力と学生へのメッセージを伺いました。建学の理念に掲げる「実学教育」の一環として、全国6拠点でハイブリッド授業(対面とオンライン配信)や体験型カリキュラムを展開されており、滋慶学園の中で唯一無二の授業スタイルを取られています。

▼エンタメ系の専門学校で、なぜビジネスの授業が必要なのでしょうか?
私は学生たちに「ビジネスプロフェッショナルを目指してほしい」とよく伝えています。
世の中ではI型(専門分野特化型)人材、T型(専門分野と広範な知識の双方を備えた)人材という言葉が使われますが、私はπ(パイ)型人材を目指すように指導しています。幅広い知識と、2分野にわたる専門性があれば、どんな業界でも、人生を通して活躍できると考えています。これからのエンタメ業界はなおさら、音楽やダンスのスキルに加えて、ビジネスの視点を持つことが、プロとして活躍し続ける重要な要素になります。
▼授業『実践ビジネス基礎』では、どのようなことを大切にされていますか?
まず大切にしているのは、教科書には載っていない「生々しいビジネス」を伝えることです。ですから私の授業には教科書がなく、すべて私が作成した資料を使って、私自身のキャリアを通じて経験したことを、そのまま学生にシェアしています。
授業は年間を通して、週に90分×2コマとかなりボリュームがあります。だからこそ座学だけでなく、ZOOM(リモート会議ソフト)を通して発言する、または、プレゼンをしたり、外に出て体験型カリキュラムに取り組んだりしています。内容は、リアルビジネスなので、最初は難解に感じる学生もいるようですが、生活していて身近にある商品・サービスや、広告、イベント、企業をテーマに、ゆっくりと繰り返し学習するスタイルのため、学生たちは、徐々に興味をもって、楽しく、学びを深めています。
▼これまでのキャリア経験が授業にどう活きていますか?
私は外資のディズニー・ジャパンや、キッザニア、アートアクアリウム美術館の立ち上げ、海外駐在(上海)など、いろんな現場で働いてきました。授業を通じて、それぞれの事業に共通するポイントや考え方を学生に伝えています。
また、人脈を活かして外部講師をお招きすることもあります。例えばアメリカで研究生活をされている方とリモートでつないだり、テーマパークの最前線で活躍している方にSNS広報や自己プロデュースについてお話しいただいたりしています。エンタメ業界では、自分の強みを自分で発信していく力が求められます。だからこそ、私の経験に加えて、様々な分野で活躍している方のリアルな話を届けることも大切にしています。

東京・仙台・福岡で実施されている専門学校生が小学生にダンスを教えるダンスアカデミー
▼複数拠点をつないだハイブリッド授業とは?
東京では、西葛西校と渋谷校をZOOMでつないで、合同授業を行っています。週ごとにどちらかで対面授業を行い、もう一方はオンラインで参加する形です。学生は毎週どちらかの形で私と直接やりとりでき、他校生の学生のプレゼンを聞く機会もあります。
リモートコミュニケーションのスキルは、今後のビジネスにおいて必須です。この授業では、ビジネス知識に加えて、ZOOMを通した表現方法も体験し体得します。また、米国とリアルタイムで繋いだ授業をと通して、米国の今を感じることができるのもリモート授業のメリットです。
▼実際の現場に出向く体験型カリキュラムも取り入れているとか。
一例として、昨年は、お台場にある「スモールワールズTOKYO」での授業がありました。学生自身が来場者の視点で施設を体験し、翌週にはマーケティング責任者からビジネスモデルの解説を学び、後半は、SNS投稿を企画し、優秀な案は実際に公式アカウントで発信されました。
TSMの教育の柱に「実学教育」がありますが、まさにそれを体現している取り組みです。現場に足を運び、現役のプロと交流しながら学べるのは大きな強みだと思います。

▼社会に出る前に学生が身につけておくべき“ビジネスマインド”とは?
とにかくいろんな場所に行き、いろんな人と話し、いろんな経験を重ねることだと思います。街を歩くときに広告や商品に目を向けて、その裏にある意図や仕組みを考えてみる。日常生活の中にも学びはたくさんあります。
スマホで閲覧することで理解した気になってはいけません。自分の目で見て、耳で聞き、肌で感じる。その積み重ねが人生を豊かにし、ビジネス感覚を磨いてくれます。好奇心を持って新しいことに挑戦する姿勢を大切にしてほしいですね。
▼TSMを目指す中高生とその保護者の方へメッセージをお願いします。
子どもが「やりたい」と言ったことを、まずはやらせてあげてください。最初から反対するのではなく、温かい目で見守り、応援するサポーターになってほしいと思います。TSMには挑戦を後押しする環境があります。ぜひ一歩を踏み出してみてください。
