【在校生インタビューVol.9】「自分って、こんなに行動力があったんだ」“失敗しそうならやらない”私を変えたNY留学
東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校 高井さくらさん
TSMで学ぶ学生たちのリアルをお届けする「在校生インタビュー」。
今回は、NYミュージシャン音楽留学本科3年の高井さくらさんにお話を伺いました。
かつては人前に出ることが苦手で、「失敗しそうなら最初からやらない」タイプだった高井さん。TSMでの学びやニューヨーク留学を通して、その考え方は少しずつ変わっていったそうです。
▼まず、自己紹介をお願いします!
ニューヨークコレクティブ音楽留学コース3年の高井さくらです。高校卒業後は少し社会人として働いた後、専門学校へ進学しました。今はヴォーカルを中心に、作曲や英語も学んでいます。

▼音楽の道に進もうと思ったきっかけを教えてください。
中学生の頃、学校に通えない時期があり、心の支えが音楽でした。家で曲を作っていたんです。でも当時は内気な性格で、音楽の道に進むとは思っていませんでした。
転機は高校を卒業する頃。音楽仲間に勧められたスタジオで自分の曲を聴いてもらい、「バンドをやってみない?」と誘われました。
最初は絶対に無理だと思いました。人前で歌うなんて恥ずかしくて。でも「そんな自分を変えてみたい」という気持ちもあって。一晩考え、「やりたいです!」と返事をしました。振り返ると、あそこが人生のターニングポイントでした。
バンド活動を通していろいろな人と関わるうちに、音楽をやることがどんどん楽しくなり、「もっとちゃんと学びたい」と思うようになりました。進学を考えた時には母にもオープンキャンパスへ来てもらったのですが、作曲の体験授業を受ける私を見て、「そんなに楽しそうな顔、見たことがなかった。」と驚いていたんです。そこからは私のやりたいことを少しずつ応援してくれるようになりました。
▼TSMで印象に残っている授業はありますか?
一番印象に残っているのはゴスペルの授業です。もともとゴスペルには興味があったのですが、実際に授業を受けて見ると、周りとの経験の差に悩みました。ソルフェージュ(楽譜の読み書きや音感の基礎トレーニング)やハーモニーが苦手で、上手くできず泣いたこともあります。
それでも続けられたのは、同期の存在が大きかったです。TSMの友達は本当に優しい子たちばかりで、分からないところを教えてくれたり、落ち込んだ時には話を聞いてくれたりしました。人に相談するのが苦手だった私も、ここに入学してからは少しずつ悩みを話せるようになりました。
また、もともと私は大阪の姉妹校(OSM)からTSMに転校してきた経緯もあるのですが、私が壁にぶつかって泣いていた時に支えてくれたOSMの同期にも、本当に感謝しています。

▼「明日への扉」でソリストに挑戦した時のことを教えてください。
声をかけていただいてオーディションを受け、ソリストを担当しました。ただ、合格後にソロ以外にも膨大な曲を担当することを知って、「この楽譜を一人で解読するのか…」と絶望しました(笑)。
譜面が読めないなら、できることからやるしかない。音符の下に一つずつドレミを書いて、何度も練習しました。以前なら、失敗しそうなことは最初から諦めていたと思います。でも今は、「できるところまでやってみよう」と考えるようになりました。
本番前日のリハーサルでは思うように歌えず不安でしたが、友達が何度も「大丈夫だよ」と声をかけてくれました。本番後は家族にも「すごく変わったね」と言ってもらえました。
▼ニューヨーク留学は、実際に行ってみてどうでしたか?
海外や留学にはずっと興味がありました。でも、お金のことなどを考えて「難しいかな」と諦めることもあって。先生にも親身に相談に乗っていただき、選考や英語力の条件を一つずつクリアして留学が決まりました。
ところが、米国政府による学生ビザの運用方針の変更を受け、予定していた1年間の留学は2か月間に変更。さらに6月は学校にいられる時間にも制限があり、授業は土曜日に2コマだけでした。当然「思っていた留学と全然違うな」と戸惑いもありました。
でも、せっかくニューヨークにいるのに部屋にこもっているのはもったいない。美術館やギャラリー、イベントへ足を運びながら、学校にも「ほかの授業も受けられませんか?」と自分から相談しました。そこで追加してもらったのが、ピアノなどの授業です。
特に印象に残っているのは、ピアノを弾きながらコードを覚えるだけでなく、「このコードはどういう場面で使うのか」と音楽理論まで一緒に学べたこと。もともと理論をもっと勉強したいと思っていたので、すごく面白かったです。
授業は2〜3人ほどの少人数制。先生の説明中でも、分からなければ学生がその場で「今のはどういう意味?」と活発に質問するんです。先生も反応を見ながら説明や内容を変えてくれる。日本ではあまり経験したことのない授業の進み方で、最初はカルチャーショックも受けましたが、7月には授業も増え、ほとんど休みがないくらい貪欲に学びました。

▼ニューヨークで、一番成長したと感じることは何ですか?
一番大きかったのは、自分自身への見方が変わったことです。
それまでは調べものや道案内も人に頼ることが多く、自分に行動力があるとは思っていませんでした。でもニューヨークでは、予定通りにいかないことがあっても、「じゃあ、今できることは何だろう」と考えて動いている自分がいて。
「自分って、こんなに行動力があったんだ」と、初めて気づきました。
英語も同じです。出発前は「伝わらなかったらどうしよう」と不安でしたが、現地では自分から伝えなければ何も始まりません。話すうちに、その怖さも薄れていきました。
今なら出発前の自分に、「そんなに心配しなくていい。もっと楽観的に楽しんで」と言いたいですね。

▼帰国してから変わったことや、卒業までに挑戦したいことを教えてください!
ニューヨークで英語が身についてきた実感があるので、帰国して終わりにはしたくないと思っています。今はオンライン英会話を始めたり、英語を使うアルバイトに挑戦したりして、意識的に英語を使う環境をつくるようになりました。
そして、卒業まで残り半年。今、一番モチベーションになっているのが「we are TSM! 2027」のステージです。これまでTSMや留学生活で学んできたことを出せる場だと思っています。そこに向けて、もっと歌える曲を増やして、自分のパフォーマンスの幅を広げていきたいです。

▼卒業後の目標を教えてください!
卒業後は、オーストラリアでの1年間のワーキングホリデーに挑戦する予定です。
まず目指したいのは、英語を話すこと自体に意識を取られず、現地の人とストレスなく、もっと深い話までできるようになることです。
その先は、日本だけに場所を限定せず、海外で働くことも視野に入れています。音楽でも、国や言葉の違う人と一緒に作品をつくったり、海外のアーティストとコラボレーションしたりできたらいいなと思っています。
▼最後に、進路を考えている中高生へメッセージをお願いします!
中高生の頃は、自分が音楽の道に進むなんて全く想像していませんでした。だから今は、「あの頃から音楽を勉強できていたら、どんなに良かったんだろう」と思うこともあります。
オープンキャンパスで、やりたいことに向かって進んでいるみなさんを見ると、とても眩しく見えます。自分が「やりたい」と思ったことに没頭している時が、やっぱり一番楽しいですからね。
TSMには一緒に考えて、支えてくれる人たちがたくさんいます。私自身も、迷った時には先生や友達に相談しながら、一つずつ挑戦してきました。だからまずは、自分の「やってみたい」という気持ちを大切にしてほしいです。